2010年2月13日

演出家としての必死な抵抗

『トゥルー・クライム』

True Crime
1999年/アメリカ
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド イザイア・ワシントン ジェームズ・ウッズ デニス・リアリー ダイアン・ヴェノーラ リサ・ゲイ・ハミルトン

評点:★★★★★★★☆☆☆

 イーストウッドは一貫している。孤高のアウトロー。年食っても若い女にモテる。まさに自作自演の怪気炎。

 映画として普通に面白いが、ストーリーがハリウッド的ご都合主義という批判もあろう。ラストのクリスマスシーンでイザイア・ワシントンが生きて家族と戯れるのをイーストウッドが見かけるのだが、ここでは一切の会話が交わされていないし、イーストウッドが見つめる視線も、何か訝しげな雰囲気があるのを見過ごしてはいけない。あのワシントン一家は亡霊なのである。やはりあの(途中で中止された)処刑で死んでしまったのだ。そして嫁は娘とショックのあまり無理心中。

 俺はそう解釈したのだが、これは穿った見方だろうか? 陳腐な脚本に苛立ったイーストウッドの演出家としての必死な抵抗と言えば、これもさすがに彼を擁護し過ぎだろうか?

 早口で捲くし立てるジェームズ・ウッズがとてもいい。

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