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2009年10月5日

大いなる遺産

Great Expectations
1998年/アメリカ
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:イーサン・ホーク グウィネス・パルトロー ハンク・アザリア 
ロバート・デ・ニーロ アン・バンクロフト クリス・クーパー

紛れもない傑作。

少年と少女が水飲み場でねっとりとキスを交わす場面。個展の初日、ジョーおじさんが現れてから会場に漲る緊張感。そしてその緊張感はグラスが割れる音とともに一気に頂点に向かう。慈善パーティーから中華料理店へ至るロングショット。ラストで屋敷の向こう側の出た海辺にエステラと少女が佇む聡明で美しいカット。・・・などなど、ハッと息を飲む優れた画面、場面の連続だ。やはりキュアロンはいい! 『トゥモローワールド』で感じたキュアロンの才能への矜持が、この映画で確信に変わった。

なんだかんだいってもパルトローはやはりきれいな女優なんだが、そのエステラの少女時代の子役がめちゃめちゃ可愛い。デ・ニーロの登場はとって付けたような感じも、キチガイババアを演じたアン・バンクロフトはさすがの貫禄。

★★★★★★★★★☆

2009年7月13日

天国の口、終りの楽園。

Y Tu Mama Tambien
2001年/メキシコ
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル ディエゴ・ルナ マリベル・ベルドゥ 
ファン・カルロス・レモリーナ アナ・ロペス・メルカード マリア・アウラ

男女問わず自慰シーンがある映画は好きになれないし、(あ、リンチの『マルホランド・ドライブ』は別格だけど。)主役の若者2人があまりにバカだし、年上の人妻はフィフィみたいだし、まあ20歳くらいにときに観てると印象違うのかもなあ。

3人の掛け合いよりも、メキシコの地元民の生活を映し出した何気ない場面のほうが魅力的。漁師一家とのふれあいや、98歳のおばあちゃんとの会話、豚の群れにキャンプを荒らされたりとか、ああいうちょっとしたエピソードを納得性を持ってストーリーに紛れ込ませることができるのは、監督に確かな演出力がある証明だと思う。

★★★★★☆☆☆☆☆

2009年5月17日

トゥモロー・ワールド

Children of Men
2006年/アメリカ=イギリス
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:クライヴ・オーウェン ジュリアン・ムーア マイケル・ケイン 
キウェテル・イジョフォー チャーリー・ハナム クレア=ホープ・アシティ

これはなかなかの力作だ。たいしたもんだ。ドラマ部分が弱いが、アクションや活劇になると途端にテンションが上がる。特に、前半のカーアクションの痛烈な展開とカメラの切り替えしの素晴らしさ。(ここでジュリアン・ムーアが早々に死んでしまったのには驚いたが。)ラストの市街戦、手持ちカメラでのワンシーン=ワンカットは凄まじい。完成度自体がもちろん低いのは仕方ないが、あれだけの場面をワンカットで撮ろうという、スタッフの志を買おうではないか。

廃校をゆったりと手持ちカメラで進む場面で、いきなり廊下の影からシカが登場するわ、どこかの屋敷で2階の踊り場にニワトリが出てくるわ、なんかブニュエルっぽいことをやってたりするね。前記の市街戦シーンでカメラに血が飛び散るとこなんかも、ブニュエルの『忘れられた人々』のタマゴ投げを想起させる。この監督はメキシコ人らしいけど、ブニュエル好きなのかな。

★★★★★★★★☆☆