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2009年12月2日

ファンハウス/惨劇の館

The Funhouse
1981年/アメリカ
監督:トビー・フーパー
出演:エリザベス・ベリッジ クッパー・ハッカビー マイルズ・チャピン ラルゴ・ウッドラフ ショーン・カーソン ケヴィン・コンウェイ

トビー・フーパーが放つ怪奇映画の傑作。カーニバルの退廃的でおどろおどろしい雰囲気を基本ベースに、オーソドックスな怪人モノを堂々たる正統派演出で仕上げたフーパーの手腕が如何なく発揮されている。『悪魔のいけにえ』的な異端の道から、続く『悪魔の沼』、そして本作。やはり彼は怪奇映画、恐怖映画の基本をしっかり押さえた上での『悪魔のいけにえ』だったのだ。

前半で双頭の牛、口蓋裂の牛など、本物のフリークアニマルが登場し、陰惨な雰囲気を醸し出すことに成功(ケヴィン・コンウェイのダミ声の呼び口上がいい味を出している)。ファンハウス内のブリキの人形や小道具、「神は見ている」と呼びかける老婆など、細かいところでの演出がとても上手だ。

顔全体が昆虫のような畸形息子の特殊メイクはリック・ベイカーか。口がうまく閉じられないもんだからずっとヨダレを垂らしている。そういう細かいところもイイね。

★★★★★★★★☆☆

2009年7月18日

スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火

Spontaneous Combustion
1989年/アメリカ
監督:トビー・フーパー
出演:ブラッド・ドゥーリフ シンシア・ベイン ジョン・サイファー 
メリンダ・ディロン ウィリアム・プリンス

両親がモルモットとなった放射能実験の影響で、謀らずも自身の肉体が破壊兵器になってしまった男の苦悩と悲哀を描く、秀作サスペンス。

この映画ももう3回くらい見てるけど、とにかく『エクソシスト3』と同じく、ブラッド・ドゥーリフ迫真の涙目演技が見どころ。もうこの俳優大好きっすね。なんなんだこの強烈な存在感はw ラストシーンは何がなんだかよくわからないけど、泣けます。

★★★★★★★☆☆☆

2009年6月21日

ポルターガイスト

Poltergeist
1982年/アメリカ
監督:トビー・フーパー
出演:クレイグ・T・ネルソン ジョベス・ウィリアムズ ヘザー・オルーク 
ビアトリス・ストレイト ドミニク・ダン オリヴァー・ロビンス

ダイアンがちょっと目を離した隙に、キッチンの椅子がテーブルの上に見事に積み重なっている場面を、ワンカットでとらえている。これはワンカットだから我々も驚くのであって、つまりは演出の妙だ。う~ん・・・しかし、これはいったいどうやって撮影したんだろう。

スピルバーグ印で語られがち・・・というか、例えば頬張った肉にウジが湧いていたり、鏡にうつった自分の顔が腐ってボロボロ落ちていく様などはフーパーが演出したように思われている向きもあろうが、こういう場面こそ実はスピルバーグが嬉々としてやっていたんでは? スピルバーグが同時期に撮った『インディ・ジョーンズ』シリーズにもこれを想起させる顔面崩壊描写があるのだ。

前記の椅子とかピエロ人形とか、小道具の使い方が実にうまい。一見胡散臭いんだけど実はすごい霊能者とか、最初に相談したけどほとんど役に立っていないオバサン心霊学者とか、キャラ付けもイイ。

★★★★★★★☆☆☆

2009年3月29日

ツールボックス・マーダー

Toolbox Murders
2003年/アメリカ
監督:トビー・フーパー
出演:アンジェラ・ベティス ジュリエット・ランドー ブレント・ローム 
クリス・ドイル ランス・ハワード

何気なく見始めたのだが、「いやぁ面白いなこれ」と思ってたらなんと監督はフーパーではないか! う~ん、さすがです。なんでこれが日本未公開なのん?

前半、シークエンスが変わるたびに、わざわざ惨劇の起こる建物を下からのあおりでネットリと撮る。この近代的な"ラスマン・アームズ"を、禍々しい場所と観客にはっきり認識させるには無理があるが、フーパーのこの努力とホラー映画への奉仕ぶりには感服するしかない。主人公のカップル以外は、基本的にヘンな人間しか登場しないのもフーパーらしい。

建物の屋上で揺れるロッキング・チェアーが不気味でイイ。B級映画の枠組み中で、こういう画を見ると本当に嬉しくなるのだ。あれで別の映画を思い出したのだが、何だっけなぁ・・・。

★★★★★★★☆☆☆

2009年2月1日

悪魔のいけにえ

The Texas Chainsaw Massacre
1974年/アメリカ
監督:トビー・フーパー
出演:マリリン・バーンズ ガンナー・ハンセン エド・ニール 
アレン・ダンジガー ポール・A・バーテイン ウィリアム・ヴェイル

廉価版DVDが発売されたので購入、何度目かの観賞です。

HDリマスターのため映像がキレイすぎるのが玉に瑕ではあるが、(VHSのザラザラした感じのほうが雰囲気あるのよね・・・)いやぁしかし、すごい映画だわやっぱり。たった82分の尺なのに観たあとぐったり疲れる(笑)

当時のスタッフの心意気や現場の空気とか天候、キャストの演技など、いろんなものが奇跡的に合わさって、いわば僥倖のような形で撮れてしまった映画なんだろうなぁ。フーパーの後のフィルモグラフィーを観ても、この『悪魔のいけにえ』だけが明らかに異質だもん。

頭をハンマーで殴られて足をバタバタ痙攣させる様が怖い。人間や動物の白骨が散乱する部屋が怖い。白煙を吹き上げながら唸りをあげるチェーンソーの轟音が怖い。生物学的には人間だが「怪物」にしか見えない人食い一家が怖い。マリリン・バーンズの叫び声と眼球が怖い。

そしてなにより、何度観てもとても面白い映画なんだよなぁ。韻を踏むようにリズム感のある原題(声に出して読んでみてほしい)に始まり、オープニングのフラッシュの連続と墓地でのミイラの対比、ワゴンに怪しげなヒッチハイカーを乗せるくだりで始まる序盤で恐怖のテンションを高めることに成功してるし、特筆すべきは、女が家の中に足を踏み入れるシーンのカット割りと超ローアングル。ここも一見すると即興演出のようでいながら、実は巧妙に考え抜かれたものだろうと思う。

★★★★★★★★★★