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2009年4月10日

少女ムシェット

Mouchette
1967年/フランス
監督:ロベール・ブレッソン
出演:ナディーヌ・ノルティエ マリア・カルディナール ポール・エベール


これはできの悪いブレッソン。シーンの繋ぎがラフな感じで、場面場面の呼応性がいまいち判りにくい。狩りの場面など、どうも観客に暗喩を強いるような演出も鼻につく。まぁ正確に言えば教訓的なシーンはブレッソンには多いんだけど、他の作品ではこれ見よがしじゃないのに、この『少女ムシェット』ではどうも「さぁ見なさい」的な押し付けがましさがある。

バンピング・カーのシーン、ムシェットの開放感あふれる笑顔が眩しい。

★★★★☆☆☆☆☆☆

2009年3月31日

バルタザールどこへ行く

Au Hassard Balthazar
1964年/フランス=スウェーデン
監督:ロベール・ブレッソン
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー フィリップ・アスラン ナタリー・ショワイヤー


何度見てもすごい。一切の情感を廃した厳しい映像のオンパレード。バルタザールの瞳に映る憂いと潤い。そして、手と足の動きのスペクタクル。

トリュフォーが「この映画は美しい。ただひたすら美しいのみだ」と言ったとか。確かに美しいが、研ぎ澄まされた厳しい映像が観るものを叩きのめす映画。ブレッソンの遺作『ラルジャン』もかなりの荘厳さだが、『バルタザール・・』は陰惨さが過ぎて、ちょっと俺には厳しすぎるかもしれない。

ラスト、死にゆくバルタザールを俯瞰でとらえた映像にはさんざん泣いた。もうこうなると趣味の領域だが、これをブレッソンの最高傑作と評価する人が多いのも充分に納得できる。

★★★★★★★★☆☆

2009年3月26日

スリ(掏摸)

Pickpocket
1960年/フランス
監督:ロベール・ブレッソン
出演:マルタン・ラサール ピエール・レマリ マリカ・グリーン


手の動きだけでアクション映画を撮ってしまうブレッソン。劇的な物語などどこにも無いが、画面そのものが劇的であるという心憎いまでのブレッソンぶりをここでも発揮。

台詞回しが単調なのはキャストが全員素人ということもあるだろうが、ブレッソンの演出なんでしょうね。登場人物はほとんど表情すら変えない。(変えるのは、ミシェルが地下鉄の出口でスリ行為を咎められるシーンと、ラストくらいなもの。)

ジャンヌ役のマリカ・グリーンがとても可愛かったけど、彼女はのちに『エマニエル夫人』でエマニエルとレズプレイに興じるビー先生だったとは!

★★★★★★★☆☆☆