2009年3月31日

バルタザールどこへ行く

Au Hassard Balthazar
1964年/フランス=スウェーデン
監督:ロベール・ブレッソン
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー フィリップ・アスラン ナタリー・ショワイヤー


何度見てもすごい。一切の情感を廃した厳しい映像のオンパレード。バルタザールの瞳に映る憂いと潤い。そして、手と足の動きのスペクタクル。

トリュフォーが「この映画は美しい。ただひたすら美しいのみだ」と言ったとか。確かに美しいが、研ぎ澄まされた厳しい映像が観るものを叩きのめす映画。ブレッソンの遺作『ラルジャン』もかなりの荘厳さだが、『バルタザール・・』は陰惨さが過ぎて、ちょっと俺には厳しすぎるかもしれない。

ラスト、死にゆくバルタザールを俯瞰でとらえた映像にはさんざん泣いた。もうこうなると趣味の領域だが、これをブレッソンの最高傑作と評価する人が多いのも充分に納得できる。

★★★★★★★★☆☆

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