1944年/東宝
監督:成瀬巳喜男
出演:古川緑波 長谷川一夫 山田五十鈴 進藤英太郎 阪東橘之助 志村喬 清川荘司 花井蘭子
成瀬らしいルックの統一だ。
中でもとても良いシーンがたくさんあるんだが、特に、江戸の芝居小屋で真打ちとして登場する、長谷川一夫(新蔵)の威風堂々ぶり。新蔵と大和屋が部屋で対峙する場面。前半→後半での大和屋の表情の落差がすごいw あと、山田五十鈴(お光)が大和屋に唄を披露するシーンの厳しさ。
そして、なんといっても省略の妙ですね。特に、お光が、大阪に戻ってきた新蔵の芝居を見るシーンの、破壊的とも言える省略。お絹に声をかけさせるだけで、じっさいにお光が芝居を見るくだりはバッサリの潔さ! 何を見せ、何を見せずにおくかを成瀬はよくわかっている。 (まぁ、予算的な制約がある部分もあろうけど)
それにしても古川緑波へのキャラ付けは見事というしかない。それに応える古川の厳しくて優しい台詞回しにも脱帽だ。
★★★★★★★★☆☆
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