2009年9月4日

東海道四谷怪談

1959年/新東宝
監督:中川信夫
出演:天知茂 若杉嘉津子 北沢典子 江見俊太郎 池内淳子

まるでオペラのような荘厳さと風格を兼ね備えた画面を持った、怪談映画の正真正銘の傑作。特に、お岩が喉を掻っ捌いて自害する場面や、池からお岩がプカプカと浮かび上がってくる場面。そしてラスト、乳飲み子を抱えたお岩が月のシルエットをバックに悠然と佇むシーンの、目を見張る美しさとアクションの演出は見事と言うほかない。新東宝のキワモノ路線の一部ではあるんだろうけど、ちゃんとした題材をちゃんとした監督が撮れば、それはやはり面白く、とても怖いものになるのだ。

その「怖さ」という観点で見ても、まだ何も起こってないのに音響と美術ですでに怖いという、ホラー映画のお手本のような作品であると言える。そしていよいよお岩が姿をドーン!と現すと、やっぱりめちゃめちゃ怖い。

★★★★★★★★★☆

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