1961年/東宝
監督:川島雄三
出演:池内淳子 佐野周二 池部良 三橋達也 高島忠夫 淡島千景
監督:川島雄三
出演:池内淳子 佐野周二 池部良 三橋達也 高島忠夫 淡島千景
傑作。これは役者の力、すなわち川島の鮮烈なアクターディレクションに支えられた作品だ。特に、もうこれは完全に池内淳子の映画だと言い切ってしまってもいいと思う。彼女が映るカットだけが画面の密度が他とはぜんぜん違う。例を挙げれば、湯河原の旅館の縁側から夜の庭園を見つめるカットや、夜桜を見上げて「食べてしまいたいくらいキレイ」と呟くカット(ここでは、照明担当もとても良い仕事をしている)。
池内は、近づいてきた男は必ず惚れてしまうという役柄に恥じないファムファタールぶり。振り回される野郎どもはみんな手に負えずに離れて行ってしまうのだが、湯河原の女将の「あの人は女性としてキレイすぎるのよ」というセリフが全てを物語っている。淡島千景はこのセリフを言うためだけに出演しているといっても過言ではない。また、高島忠夫の手の平返しっぷりがとても面白い。若いツバメが年上の悪女に惚れるとこうなるという典型だ(笑)
池内が自殺する直前の、佐野周二の呟きがグッとくる。「人間は自殺するほど高等な生き物じゃない」。
★★★★★★★★☆☆
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