1983年/東宝
監督:相米慎二
出演:藤竜也 河合美智子 坂上忍 永瀬正敏 鈴木吉和 原日出子 桑名将大 木之元亮 寺田農 伊武雅刀
冒頭の7分間の長回しは、「よくこんな場面をワンカットで撮る気になるなあ」という程度の感想しか持ちえず、不意にその長回しが終わってしまうあたりも含め、観客に感動をもたらす効果までは至っていない。もともと相米は長回しに特別なこだわりがあるわけでもなく、中盤の貯木場のものにしろ後半の遊園地のものにしろ、躍動感のある映像を作り出そうとした結果として、長回しという手法が取られたのだと思う。
そんなわけで物語の錯綜もここにきていっそう極まってきており、やってることははっきり言ってむちゃくちゃである(笑) しかし、前記の名古屋の貯木場や、少年たちが初めて藤竜也と出会う木造船の内部の場面など、よくこんな場所を見つけてきたなぁと感心してしまう。河合美智子をはじめ役者たちもずいぶんと身体を張らされており、相米の映画に付き合うスタッフ、キャストも大変だったろうなぁ。
当時15歳の河合美智子がずっとノーブラで、銭湯のシーンとラスト付近では乳首まで見せている。河合のみならず、なぜか原日出子もずっとノーブラで通し、この2人の胸元ばかり気になってしかたがなかったw
けっきょく相米は処女作の『翔んだカップル』以降、真の傑作と呼べる映画は『お引越し』まで待たねばならなかったのだが、映画でしかできないことをやろうとする相米らしさはこの失敗作でもそこかしこ窺え、決して失望はしない。
★★★★★☆☆☆☆☆
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