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2009年12月6日

ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

The Lost World: Jurassic Park
1997年/アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ジェフ・ゴールドブラム ジュリアン・ムーア リチャード・アッテンボロー ピート・ポスルスウェイト ヴィンス・ヴォーン アーリス・ハワード ピーター・ストーメア

つまらないね。ここにはサスペンスすらも皆無だ。恐竜の造形がどうのは既に前作でやり尽くしてしまっているわけだし、さすがに観客を舐めすぎでしょう。

ひいきの女優さんジュリアン・ムーアの登場。いい女ですねホントに。

★★★★☆☆☆☆☆☆

2009年10月31日

ターミナル

The Terminal
2004年/アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス キャサリン=ゼタ・ジョーンズ スタンリー・トゥッチ シャイ・マクブライド ディエゴ・ルナ クマール・バラーナ

飛行機の運航状況を示すボードをオープニングクレジットに被せ、エンドクレジットは関係者のサインで締めるという、「ああ、いいセンスだなぁ」と思わせる演出。やっぱりスピルバーグは巧い。

つい最近、ポーランドの作家カリンティ・フィレンツの「エペペ」という小説を読んだばかりで、『ターミナル』を見て前半、ちょっとその小説を思い出した。言葉の通じない異国での疎外感と孤独感。トム・ハンクス演じるロシア人が英語をマスターするスピードがあまりにも早すぎね?と思うところはあるのだけども、まぁそこをきっちりスルーして映画的真実として観客に納得させてしまうところは、さすがはスピと言っておきましょう。

何より、殆どJFK空港だけで展開される135分。ここまでテンションをキープさせることができる演出家を、俺は今のアメリカ映画では他に知らない。あえて言えばロン・ハワードくらいか? ジャック・タチのフランス映画、あるいは、ハリウッド全盛期のルビッチやキャプラを思わせる余裕たっぷりの空気感と時間感覚。しかし、滑る床の60年代風のお笑い演出は要らないかな。

トム・ハンクス以外のキャラクタリゼーションがヘタクソだとか、ステイシー・トゥッチはもっと悪く悪く描いて欲しかったとか、まあいろいろ不満はあるんだけど、ラスト30分は柄にもなく泣かされてしまった。とてもいい映画だと思います。お話がよく出来すぎている? 映画なんだからそれでいいじゃないか!

★★★★★★★★☆☆

2009年10月17日

宇宙戦争

War of the Worlds
2005年/アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トム・クルーズ ダコタ・ファニング ジャスティン・チャットウィン 
ティム・ロビンス ミランダ・オットー

2度目の観賞だが、やはりイイじゃないか。とてもいい。

まるで『激突!』や『ジョーズ』に立ち返ったかのようなスピルバーグの腕白ぶりが嬉しい。何よりここには映画らしい活劇がある。余計な人間ドラマは極力排除し、B級っぽくコンパクトにまとめてるところも好感が持てる。というのも、地球に宇宙人が攻めてきたワー大変だ!という状況なのに、船とか地下室とか小さめの空間でアクションが展開するのだ。地球全体を覆う惨劇は、テレビクルーの小さなモニターで確認するという、徹底したB級っぷり。(言うまでもないが、ここでのB級ってのは褒め言葉です。)

「ドラマが薄い」という観方もあるようだが、もともとスピルバーグは人間ドラマにはあまり興味がないように思うわけです。傑作『プライベート・ライアン』では冒頭30分でやりたいことをすべてやり尽くしたように、スピルバーグにとって人間ドラマを盛り込むことは、自分の好きな残酷描写や活劇、銃の撃ち合いを徹底的に満喫するための免罪符に他ならないと思う。

クルーズと長男の親子のドラマがどうにも取ってつけたような感じがするのはそのためだろう。「このくらいやっときゃいいでしょ?」というスピの呟きが聞こえてきそうだ。114分という近年のアメリカ映画にしてはコンパクトな上映時間も、この人間ドラマ部分が希薄なおかげである。

★★★★★★★★☆☆

2009年10月12日

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

Catch Me If You Can
2002年/アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:レオナルド・ディカプリオ トム・ハンクス クリストファー・ウォーケン ナタリー・バイ マーティン・シーン エイミー・アダムス ジェニファー・ガーナー

オープニングのアニメーションから映画に引き込まれる。こんな小品でもカチッと作れるスピルバーグはやはり凄いが、小切手偽造のディティールはもうちょっと細かく描き込んで欲しかった。せっかくもっと面白くなりそうなのに、なんかもったいない感じ。あと、やっぱりテンポが緩慢でダラダラ感満載。これなら100分程度の尺で収めてほしいのだが、140分はどうにも長い。つまりは無駄なカットが多いということだ。

マイアミ空港の駐車場でディカプリオが車の中から周囲の様子を窺うヒッチコック的な場面がこの映画の白眉だろう。あの一連のシークエンスには感動した。また、ラストの飛行機のハッチからの脱出。あのムチャクチャぶりは映画的でイイと思う。

それにしてもディカプリオの演技力は圧倒的だ!

★★★★★☆☆☆☆☆

2009年10月3日

マイノリティ・リポート

Minoritiy Report
2002年/アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トム・クルーズ コリン・ファレル マックス・フォン・シドー サマンサ・モートン ロイス・スミス ピーター・ストーメア

中盤からの展開は完璧にフィルム・ノワールだなこれは(笑) 裏通りのやさぐれた雰囲気で展開される追いつ追われつの展開とかがとても面白い。前半はどうもダラダラした展開だったが(『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』を想起させるダラダラ感)、半ば以降のスピード感はとてもイイと思います。あと、ブリコグ(もちろん主にアガサ)の禍々しさなんかも、もちろんとても映画的で素晴らしい。

ここまで判りやすい映画は好きですよ。コリン・ファレルをシドーが一瞬にして射殺する場面の唐突さとか、眼科医のストーメアとその相棒(なぜかトムのケツを触りまくる)とトムのやり取りなんかとても面白い。なんだかんだ言ってもやっぱりスピルバーグは上手だよ。

やっぱり70年代中盤以降のアメリカ映画はある意味、スピに支えられた部分もとても大きいと思うんだよね。実は悪役のお偉いさんにマックス・フォン・シドーを持ってきたり、予知夢の中の殺される女が『サスペリア』のジェシカ・ハーパーだったり、やっぱ”そういう”ジャンルにスピルバーグは興味があるんだろうなぁ。でも真正面からそういう映画に取り組めないところが「巨匠」のつらいところではあるが。

おいおまえら、もっとスピルバーグを評価しようや。・・・というより、2040~2050年代の映画ファンは、スピを物凄く見直してるような気がします・・・なんとなくですが。

★★★★★★★☆☆☆

2009年7月15日

JAWS/ジョーズ

Jaws
1975年/アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ロイ・シャイダー リチャード・ドレイファス ロバート・ショー 
ロレイン・ゲイリー マーレイ・ハミルトン

いやあ、何度見ても最高に面白い! 文句なしにスピルバーグの最高傑作でしょう。 なんのことはない、才能ある演出家が巧みに演出すれば、幽霊でも ドラキュラでも怪物でもなく、「水」で観客を怖がらせることができるのだ。

巧みな演出を挙げればキリがないのだが、署長ロイ・シャイダーがサメをおびき寄せるために魚を海にまくシーンが秀逸。ロバート・ショーに何か言われ、それに答えるシャイダーを画面のやや右寄りに据えて観客の目をそちらに逸らせ、次の瞬間、画面の左寄りにサメの巨大な顔がザッパーン!と現れる。 これが、セリフの間といい画面の中の配置といい音楽の入れ方といい、ほんと絶妙だ。巻き戻して何度も見てしまったよ。

改めて見てみると、それ以外にもとても印象的な場面がある。ドレイファス演じる海洋学者がサメを称し「あれは人間を食べる機械だ」と表現するシーンがそれ。観客は、ドレイファスのこのセリフをきっかけにこの作品に爽快な海洋冒険映画を期待することをやめ、「機械」との陰惨な死闘を待ち望むしかなくなる。 映画のなかでの大きな節目は、このようなクールなひとつのセリフによってもたらされるという、象徴的なシーン。

いったんこの原理が機能し始めると、巨大人食いザメは別になにもしなくてよくなる。3人の無謀な冒険者たちを深い海の中でジッと待ち続ければよい。そうすれば獲物が向こうから勝手にやってくるのだ。 これはもう「ホラー映画」と呼んでしまっていいのではないか。

★★★★★★★★★☆

2009年5月17日

シンドラーのリスト

Schindler's List
1993年/アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:リーアム・ニーソン ベン・キングスレー レイフ・ファインズ 
キャロライン・グッドオール ジョナサン・サガール

高校以来、15年ぶり。3時間超だが、モノクロのおかげで目がそんなに疲れなくて済む。作り手がそこまで考えてモノクロにしてくれたとしたら、優しいw

ここでのスピルバーグは人間が銃で撃たれたときの倒れ方や血の噴き出し方の表現に心血を注いでおり、実際、それらのシーンはとても輝いているのだが、ヒューマニズムを前面に押し出したような場面は演出にキレがない。まぁ、自分のやりたいことを満喫させるのはこの後の『プライベート・ライアン』のほうが顕著ですがね。

画面の繋ぎも、スピルバーグらしくないとても面白い事をたくさんやっている。でも、ラスト、シンドラーの墓への献花は蛇足だな。本編の前後を現在のシーンで挟む構成も『プライベート・・・』と同じだが、フィクションの分だけ『プライベート・・・』のほうが可愛げがある。

映画史において重要な作品であることは間違いないだろう。「史実と違う!」とか文句言う馬鹿がたくさんいるけど、そういう人は映画ファンとは違う人種なので、放っておきましょう。

★★★★★★☆☆☆☆

2009年3月31日

ミュンヘン

Munich
2005年/アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:エリック・バナ ダニエル・クレイグ キアラン・ハインズ 
マチュー・カソヴィッツ ハンス・ジシュラー ジェフリー・ラッシュ

う~ん・・・普通だなぁ。情報屋のルイの描き方とかキャラ、あるいは、爆弾仕掛けた電話をめぐるサスペンスなんかはとてもいいのだけど、さすがにその緊張感が164分持続しない。

銃の撃ち合いのシーンは極めて凡庸な演出。スピってこんなヘタクソだっけ・・・?

★★★★★☆☆☆☆☆