2009年3月14日

ラブ・オブ・ザ・ゲーム

For Love of the Game
1999年/アメリカ
監督:サム・ライミ
出演:ケヴィン・コスナー ケリー・プレストン ジョン・C・ライリー 
ジェナ・マローン ブライアン・コックス

野球のお話かと思ってたら完全にラブストーリーでした。

まぁそれはいいんだけど、とにかくサム・ライミの作品には顕著なのだが、説明的な顔のアップが気に入らない。

ケリー・プレストンが可愛かったので許そう。

★★★★☆☆☆☆☆☆

断崖

Suspicion
1941年/アメリカ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジョーン・フォンテイン ケイリー・グラント ナイジェル・ブルース 
セドリック・ハードウィック レオ・G・キャロル

「どうせ単なる妄想だろ?」と観客に思わせつつ、本当にグラントが人殺しだったというオチを期待していたのだが、ちょっと肩透かし。まぁ終わらせ方がかなり観客を放り出しているので、救われる部分も。

当初のヒッチコックの構想では、夫が殺人者だったらしい。でもスターのケイリー・グラントを人殺しにはできんだろってことで、けっきょくこうなっちゃったんでしょうね。

フォンテインが登場してしばらく、フォンテインのクローズアップだけやたらソフトフォーカスで撮影されている(冒頭の汽車のシーンは、たぶん最後のほうに撮影されたのだろう)。当時のハリウッド映画、キレイな女優さんにはこんな感じの撮影が多く、よくこんなんで成立したなと思わせるが、まぁいろいろあったんでしょう。

ナイジェル・ブルースの立ち振る舞いが面白い。プレゼントで包装してあっても、形でステッキって判るでしょ普通w

★★★★☆☆☆☆☆☆

許されざる者

Unforgiven
1992年/アメリカ
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド ジーン・ハックマン モーガン・フリーマン 
リチャード・ハリス ジェームズ・ウールヴェット

素晴らしい。

何が素晴らしいって、いちいち挙げていたら朝になってしまうが、特に、クライマックスの娼婦小屋での決闘シーンだ。意味なくカットを割らない、このシンプリシティ。脱帽です。

イーストウッドの映画は、映画そのもの。我々に語る気をなくさせてしまう。ただ「素晴らしい」と呟いて、画面を凝視してればいい。

ラスト、「セルジオとドンに捧ぐ」のクレジットには泣いてしまった。

★★★★★★★★★☆

2009年3月13日

パンチドランク・ラブ

Punch-Drunk Love
2002年/アメリカ
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:アダム・サンドラー エミリー・ワトソン フィリップ・シーモア・ホフマン


ポール・トーマス・アンダーソン(以下、PTA)といえば、あれだけ『マグノリア』に打ちのめされたってのに、最新作の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』は気がつけばもう公開終わってるし、この『パンチドランク・ラブ』すら見てなかったとはどういうこった・・・。

しかしまぁ、見てなかったのを後悔する素晴らしい出来映え。冒頭、白い部屋でカスタマーサービスに神経質な電話をかけるアダム・サンドラー。もうこのシーンから一瞬たりとも画面から目を離せなくなる。

早朝の道路でいきなり目前に置かれる古びたオルガン。ノーブラで颯爽と登場する小ジワの目立つ35歳のエミリー・ワトソン。テレクラに電話する場面とダイアローグの冗長さはあえて狙ったものだろう。かけまくる、かかってきまくる電話、電話、電話の嵐。姉たちとのパーティーで唐突に窓ガラスをハンマーで叩き割るバリー。事務所の前に置かれる4個1セットのプリンの山。もはやPTA組ともいえる(家具屋の)フィリップ・シーモア・ホフマンの不敵さ。アダム・サンドラーは終始青いスーツ+青いネクタイ。ハワイに行くのも荷物も持たず着の身着のまま。そのすべてが心地いいのだ。

それにしても、なんなんだろうこの古典を見るような感覚は。それぞれの場面において唐突にクライマックスが訪れる様は、1920年代のサイレント映画を見てるようだ。バリーが経営する会社(この会社も何を業としてるのかよくわからん)もジャック・タチの『プレイタイム』を想起させる見事な映画的空間造形。

『マグノリア』の時も感じたことだが、PTAという人は、たぶん相当なシネフィルだな。かなりの数の映画を見てきてると思う。そして、やはり映画史から目を背けることはできない、そんな野暮ったい使命感の中で映画を撮っているんだろう。PTAは、不器用ゆえに職人に成り切れない宿命を背負った天才作家だという認識を、改めて強くした次第です。

なんだかよくわからんがこりゃエライこっちゃ。さっそくDVD買わねば。

★★★★★★★★★★

2009年3月8日

コーヒー&シガレッツ

Coffee and Cigarettes
2003年/アメリカ
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ロベルト・ベニーニ スティーヴ・ブシェミ トム・ウェイツ ルネ・フレンチ 
ケイト・ブランシェット アルフレッド・モリナ ビル・マーレイ

ジャームッシュらしくほとんどカメラが動かない編成で、コーヒーとタバコを楽しみながら登場人物たちのお喋りが繰り返される。そういうダイアローグ自体が面白いわけでもないし、ジャームッシュのスタイル自体が苦手ってのもあるんだが、これではつまらない。映画として全く興奮できない。

ミュージシャンがたくさん出演しているので、彼らのファンには楽しめるのかも。

★★★☆☆☆☆☆☆☆

2009年3月7日

コールド マウンテン

Cold Mountain
2003年/アメリカ
監督:アンソニー・ミンゲラ
出演:ジュード・ロウ ニコール・キッドマン レニー・ゼルウィガー 
アイリーン・アトキンス ナタリー・ポートマン フィリップ・シーモア・ホフマン ドナルド・サザーランド ジョヴァンニ・リビシ レイ・ウィンストン

実に155分・・・長すぎる! 正当化できない長さ。

しかし良い場面がたくさんある。北部の兵士と未亡人ポートマン、その赤ん坊とジュード・ロウの直線的な描き方。ここでの画面作りには感動した。そしてクライマックス、雪山での銃の撃ち合い。そして森の斜面をとらえる馬上の2人。

逆に言えば、そういう視点でしかこの映画を擁護できないなぁ。キッドマンとロウのセックスシーンも、ミンゲラは撮りたくなかっただろう。ここだけ妙に浮き上がっちゃってる。

★★★★☆☆☆☆☆☆

イタリア旅行

Viaggio in Italia
1953年/イタリア
監督:ロベルト・ロッセリーニ
出演:イングリッド・バーグマン ジョージ・サンダース レスリー・ダニエルズ 
ナタリア・ライ マリア・モーバン

バーグマンはナポリで博物館や美術館めぐりで、夫はカプリを観光。観光映画と揶揄されても仕方のない作りではある。

祭りの行列で群集に飲まれてバーグマンが夫から離れていき、再び近づいたときになぜか愛情も復活。劇作上はまったく正当化されない強引さだが、わけのわからぬ唐突さに惹かれるものはあった。

しかしここのでバーグマンは完全におばさんだなぁ。『ストロンボリ/神の土地』までは良かったんだけども。

★★★★★☆☆☆☆☆

2009年3月6日

近松物語

1954年/大映
監督:溝口健二
出演:長谷川一夫 香川京子 南田洋子 進藤英太郎 小沢栄

これも10年ぶりくらいに観た。

宮川一夫のキャメラと、長谷川一夫のスター性、そして香川京子の可愛さ。しかし、何より溝口の画面作り。カッコイイ。かっこよすぎる。

なんといっても、おさん(香川京子)が茶屋から逃げる茂兵衛(長谷川一夫)を痛む足を引き摺りながら追いかけ、最後には抱擁して転げまわる場面。この斜面の演出と、役者の情感をフィルムに定着させる技術は神業ですね。

ごくごく普通の家屋の中での静かな移動撮影と、陰影がはっきりした映像。ワンシーンごとの静かな余韻。完璧。ハリウッドでのパーフェクトな古典がルビッチだとすれば、日本では間違いなく溝口でしょう。小津でも成瀬でも、ましてや黒澤明でもない。

しかし、完璧すぎてどうも可愛げがないw ヘソ曲がりな俺にとっては、少し雑なとこを残す成瀬のほうが好きだったり。こうなるともう好き嫌いの問題だな。(いやもちろん溝口も大好きなんだけど。) そんなわけで、星9つです~

★★★★★★★★★☆

2009年3月3日

ミッドナイト・エクスプレス

Midnight Express
1978年/アメリカ
監督:アラン・パーカー
出演:ブラッド・デイヴィス アイリーン・ミラクル ランディ・クエイド 
ジョン・ハート ポール・スミス ボー・ホプキンス

これは確か・・・、高校1年の冬にビデオで観たんだと思う。両親と一緒に観たから覚えてます。実に16年ぶりの再会。16歳という多感な時期に観たってこともあるんだけど、映画にハマるキッカケになった作品のひとつだから、思い入れもありますね。

いやぁやっぱり、実に力のある映画。ブラッド・デイヴィスという俳優に支えられた作品という見方もできるが、あまりにも陰惨な物語、陰惨な語り口のなかで、アラン・パーカーという監督の力量を再認識できる。特に、ビリーがリフキに対する憎悪を剥き出しにする場面の迫力はどうだ。これが映画というメディアの持つ力だ。

そして、なんといってもラストシーン。殺した看守の制服を奪って脱出を謀り、通りで小型ジープが過ぎ去るまでのバクバクした緊張感と、過ぎ去ってからの小躍りのストップモーション。この一連のシークエンスに涙できない人は、映画を見る資格がない。

★★★★★★★★★☆

2009年3月1日

エミリー・ローズ

The Exorcism of Emily Rose
2005年/アメリカ
監督:スコット・デリクソン
出演:ローラ・リニー トム・ウィルキンソン ジェニファー・カーペンター 
キャンベル・スコット コルム・フィオール メアリー・ベス・ハート

てっきりオカルトホラーかと思って観てたら裁判モノでした。裁判のシーンを始め、シナリオに頼り切ったような画面作りで、どうもこういう、脚本だけで完結しているような映画は好きになれないのです。

エミリー役のジェニファー・カーペンターがシャクレのブサイクで、なんでこんな女優が起用されたのか・・・? まぁいわゆる「体当たりの演技」なんだろうけどさ。

★★★☆☆☆☆☆☆☆

アイズ ワイド シャット

Eyes Wide Shut
1999年/アメリカ
監督:スタンリー・キューブリック
出演:トム・クルーズ ニコール・キッドマン シドニー・ポラック 
マリー・リチャードソン トッド・フィールド

劇場公開時以来、10年ぶりに見直した。やはりキューブリックの遺作に相応しい傑作です。

パーティに招待され、アリスが老紳士と踊るシーンの濃密な空間設計から、もう片時も画面から目が離せなくなる。屋敷での仮面乱交会のシーンを始めとした、全編に漂うミステリアスな雰囲気もさることながら、とにかく美術とセットが素晴らしい。特にニューヨークの街角のシーンはなんと全てスタジオセット! このお金の使い方は、日本映画には絶対にマネできないと思う。

ニコール・キッドマンの奇跡的な美しさ。

★★★★★★★★★☆

人喰族

Cannibal Ferox
1984年/イタリア=アメリカ
監督:ウンベルト・レンツィ
出演:ロレーヌ・ド・セル ジョン・モーゲン ブライアン・レッドフォード 
ゾーラ・ケロヴァ ヴェナンチーノ・ヴェナンチーニ

さて、イタリアといえばゾンビとカニバリズムなわけだが(偏見です)、カニバリズム(食人)って言葉の語源は、祭りのカーニバルCarnivalじゃなく、カリブ族を意味するCanibalだそうですね。なんでもカリブ族は16世紀頃、人肉を食べると信じられていたからだそう(ウィキペディアより)。いや~、映画見てるといろいろ勉強になりますね!

で、映画の方はというと・・・眠たくなるんだなこれがw 芋虫をナマでムシャムシャ食べたり、犠牲者の男のポコチンを切り落としてこれまたムシャムシャ食べちゃうシーンは「おおっ!」って感じだし、亀やワニを解体するところは本物を使ってる(?)こともあってかなり陰惨な感じで仕上げてくれてはいるんだけど、もうね、なんつーか、作りが適当で、見ててツライもんがあるよこれは。

まぁ見世物映画だから仕方ないんだけど。DVDの特典映像も、スカトロ流血アダルトビデオとかだったし・・・w

★★☆☆☆☆☆☆☆☆