1954年/大映
監督:溝口健二
出演:長谷川一夫 香川京子 南田洋子 進藤英太郎 小沢栄
これも10年ぶりくらいに観た。
宮川一夫のキャメラと、長谷川一夫のスター性、そして香川京子の可愛さ。しかし、何より溝口の画面作り。カッコイイ。かっこよすぎる。
なんといっても、おさん(香川京子)が茶屋から逃げる茂兵衛(長谷川一夫)を痛む足を引き摺りながら追いかけ、最後には抱擁して転げまわる場面。この斜面の演出と、役者の情感をフィルムに定着させる技術は神業ですね。
ごくごく普通の家屋の中での静かな移動撮影と、陰影がはっきりした映像。ワンシーンごとの静かな余韻。完璧。ハリウッドでのパーフェクトな古典がルビッチだとすれば、日本では間違いなく溝口でしょう。小津でも成瀬でも、ましてや黒澤明でもない。
しかし、完璧すぎてどうも可愛げがないw ヘソ曲がりな俺にとっては、少し雑なとこを残す成瀬のほうが好きだったり。こうなるともう好き嫌いの問題だな。(いやもちろん溝口も大好きなんだけど。) そんなわけで、星9つです~
★★★★★★★★★☆
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