2009年11月21日

マグノリア

Magnolia
1999年/アメリカ
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:トム・クルーズ ジュリアン・ムーア ジェレミー・ブラックマン メリンダ・ディロン フィリップ・ベイカー・ホール フィリップ・シーモア・ホフマン ウィリアム・H・メイシー ジョン・C・ライリー ジェイソン・ロバーズ


先だっての『マルホランド・ドライブ』じゃないけど、俺はもうこの映画を何度も何度も繰り返し見ている。なぜかって? それは、この映画が人々にとって「癒し」を発散する作品だと思うからだ。少なくとも俺はこの傑作を観て救われた1人だ。あらゆる面で壁にブチ当たっていた自分に勇気と希望をくれた映画。これだから映画を観るのをやめられない! 一度NGだった人だって、人生をやり直せる。たとえ明日死ぬとしたって、今日やり直しちゃいけないなんて、誰にも決める権利なんかありゃしない! 

映画の中に溢れ出る、情感。人々のエモーション。かつてサミュエル・フラーは言った。映画とは、「アクション、愛、そしてエモーション」なのだと、それが新興監督のクソ長い作品に唐突に現れようと、果たして我々観客は思うだろうか?

これは果たして映画なのだろうか? NO! これは映画以上の何かだ! これは真実の物語か? 残念だがNO! しかし、この映画で誰も救われないし、誰も何も劇的な事を起こしちゃいない。でも、最後は天から「あれ」が降ってくる。映画の中で、それは確かに「起こった」ことだ。お前らならそれは判るはずじゃないか! 

人生はやり直せる。一度失敗した人間でもやり直せる。やり直しちゃいけないなんて誰が決めたんだ? 自分が生きていく上で、高い壁にブチ当たっているときに出会った映画だから、思い入れはハンパじゃないっす。

そして、ラストシーン。ヤク&セックス中毒になったメリンダ・ディロンは、仲良くなったデブ警官じゃなくて、スクリーンを観ている我々に向かって一瞬、微笑みかける。エイミー・マンのスコアに乗じて、だ。貴方にはそれが信じられる? もし貴方が少しでも時間があるのなら、その事について少しだけ考えてほしい。そして、何度でも何度でも繰り返し、この映画を観て欲しい。その度にあらゆる発見があるはずだからだ。

★★★★★★★★★★

0 件のコメント:

コメントを投稿