2009年11月7日

夜の流れ

1960年/東宝
監督:成瀬巳喜男 川島雄三
出演:司葉子 山田五十鈴 宝田明 三橋達也 白川由美 水谷良重 草笛光子 越路吹雪 志村喬

成瀬と川島の監督としての力量が如何なく発揮されている佳作だが、やはり共同監督のせいか、それぞれのエピソード同士のまとまりに欠け、全体として散漫な印象を与える。ミもフタもないことを言ってしまえば、失敗作かもしれない。冒頭のプールのシーンからして、「ちょっと違うなぁ」という感じがしてしまう。

しかし、山田五十鈴が三橋達也に台所で無理心中を謀る場面、宝田明が尻手駅で新しい花嫁の白川由美を電車飛び込みで失う場面など、衝撃的かつ魅力的な細部に満ち溢れている。五十鈴が46歳という設定で、すっぴんの顔まで晒すわけだが(撮影当時43歳)、三橋に迫る場面の迫力は凄まじい。

成瀬巳喜男、そして川島雄三。二人とも日本を代表する演出家だ。それぞれが単独で監督した映画をやはりたくさん観たい!

★★★★★★☆☆☆☆

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