2009年12月4日

乱れる

1964年/東宝
監督:成瀬巳喜男
出演:高峰秀子 加山雄三 草笛光子 白川由美 三益愛子 浜美枝

心底、魂の震える大傑作だ。

もう10年近く前になるが、名画座でこの映画を観た帰り道、「すげえ、もう最高だ。最高だ」と、何度も何度も呟きながら歩いていたのを覚えている。だがそれ以外、どの電車に乗ってどの道をどうやって帰ったのかすら覚えていない(笑) そのくらい衝撃だった。それまで自分が観ていた日本映画は何だったのか?

観客の心情を根底から揺さぶる演出と演技。中でも、高峰秀子と加山雄三のアイコンタクトの演技がそれだ。特に高峰は本当に成瀬の演出との相性が抜群だが、見送り電車の中での2人の接近の演出! とにかく、高峰が家を飛び出して以降の「よろめき」ドラマの部分の圧倒的で押し寄せるような演出と演技!

そして、ラストカットでの前髪を額に振り乱した高峰のクローズアップ。もう最高だ。ずっとずっとずっと、観ていたい映画。

★★★★★★★★★★

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