1937年/東宝
監督:成瀬巳喜男
出演:入江たか子 堤真佐子 清川玉枝 澤蘭子 北沢彪 佐伯秀男 大川平八郎
見合い結婚で嫁いだ先でまるで女中のような扱いを受けて鬱積した入江たか子の感情が、映画の中盤からクライマックスへ向けて静かに静かに爆発する。しかし、決して下世話な修羅場にはならない。「水持ってこい」だの「店屋物を頼め」だの、完全に女中扱いされる様を、似たようなカットを繰り返すことによって、これも静かに描く。このシークエンスにおけるテンポが極めて心地よい。
フィルムが現存していたこと自体が貴重な戦前の成瀬作品だが、入江たか子の存在感と相俟って、愛すべき小品に仕上がっていると思う。
★★★★★★☆☆☆☆
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