1960年/東宝
監督:成瀬巳喜男
出演:三益愛子 原節子 高峰秀子 森雅之 宝田明 団令子 草笛光子 淡路恵子 小泉博 仲代達矢 杉村春子
原節子と仲代達矢が、知人のアパートで急速にその距離を縮める描写。この距離感と原節子の表情がとても絶妙で、実にうまい。原節子はそんなに演技のうまい女優さんだとは思わないが、もう、原節子が原節子としてスクリーンに映し出されている、というだけで充分に存在感を提示できるレベルに達している。つまり、これぞ映画スター、ということだ。本当のスターには迫真の演技も流暢なセリフ回しも不要、ということでもある。
高峰秀子は相変わらずクールで巧いが、原に比べて今回は見せ場が少ない。それより、淡路恵子や団令子が画面の中でうまく引き立っているな。三益愛子と通りすがりの笠智衆との掛け合いと、ロングショットで三益が借りてきた乳飲み子を抱き上げるラストショットにはグッと来た。
★★★★★★★☆☆☆
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