Le Charme Discret de la Bourgeoisie
1972年/フランス
監督:ルイス・ブニュエル
出演:フェルナンド・レイ デルフィーヌ・セイリグ ジャン=ピエール・カッセル ポール・フランクール ステファーヌ・オドラン ジュリアン・ベルトー
ここでもブニュエルのシュールなギャグが炸裂しまくる!
家で食事会のはずがホストが日付を間違え、レストランに行けば店の奥では支配人の死体があり気色悪くて食事どころではない。カフェに行けば紅茶もコーヒーも品切れで水しかなく、やっと食事ができる!と思ったら軍隊の演習に巻き込まれる・・・ってな具合で、ブルジョワの価値観や日常を徹底的に茶化してみせるのだが、そこは天才ブニュエルのこと、一筋縄で行くはずもない。
ある事柄の理由を説明する場面に飛行機やタイプライターの音を被せてみせたり、パーティで些細な口喧嘩からいきなり銃を撃ったり、どこまでが現実かどこからが夢なのかあいまいな作りになっている。劇中とラストに3度ほど出てくる、果てない一本道を出演者たちが会話するでもなくひたすら歩き続ける場面と相俟って、映画全体がかなり綿密に考え抜かれた構成だと思う。驚くほど完成度の高い作品だ。
★★★★★★★★☆☆
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