2004年/東宝
監督:青山真治
出演:役所広司 薬師丸ひろ子 柄本明 豊川悦司 鶴見辰吾 杉田かおる 黒田福美 眞野裕子
死体を隠す一連のシークエンス、そしてそれに絡む柄本明の飄々としたクールな演技に実に見ごたえがある。今の日本映画界に、この柄本明がいなかったらと思うとぞっとする。そして、薬師丸ひろ子の可愛さ、そこに潜むアンビバレンツな魅力。劇中で柄本明が「彼女より、奥さん(薬師丸)のほうが魅力的だ」と言うセリフがあるが、まさにその通り!と拍手を贈りたくなった。
しかし、後半トヨエツがしゃしゃり出てくると、映画は一気につまらなくなる。役所やトヨエツのみならず、柄本明まで興奮して声を荒げる始末。クールなサスペンスのはずが、最終的には説教臭い大衆劇に堕してしまう。題材的には面白くなりそうな話なんだが、このへんが青山の限界だろう。劇作上で重要な場面もすべてセリフで説明しちゃうのは・・・(笑)
2人がボートで死体を沈めるのを鶴見が待っている場面で、タイヤの横に10本弱あったタバコの吸殻が次のカットで消えているのだが、それに対する説明は最後まで無し。そういう伏線はちゃんと回収してくれよな。
★★★☆☆☆☆☆☆☆
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