Million Dollar Baby
2004年/アメリカ
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド ヒラリー・スワンク モーガン・フリーマン アンソニー・マッキー ジェイ・バルチェル ブライアン・オバーン
イーストウッドがひとつの地平に達した、陰惨極まりない傑作フィルム。聡明で透明な美しさは、ゴダールの『右側に気をつけろ』にそっくり。
いや、誤解されると困るのは、もちろん『ミリオンダラー・ベイビー』と『右側に気をつけろ』は、テキストや題材としても全く似ていないのだが(『右側に・・・』はボクシングが主題であるルネ・クレマンの『左側に気をつけろ』に想起されたフィルムであるにせよ、だ)、でも、本当にこのクリアな肌触りや触感、光と影のコントラストが本当にそっくりなのだ。両作品とも観た人ならわかってくれると思う。もうこうなると何言ってるか自分でもよくわからんのだが・・・ あ、本作と『右側に・・・』のどちらが映画として上かは、どうでもいいです。ま、並べて語る人も普通はいないと思うけど(汗
あとねぇ、マギーの行く末がどうこうとか、リバタリアンであるイーストウッドの政治的立ち位置がどうこうとか、映画そのものとはあまり関係のない話で盛り上がるのは良くないと思うわけです。ただ、画面を見つめて音を聴けばいいじゃんよ! アカデミー賞獲る映画だから仕方ないのかもしれんが、スクリーンの向こう側を見ようとする観客のなんと多いことか・・・。
神父と会話する場面が複数。23年間、毎日ミサに来てるというフランキーの姿は、イーストウッド自身の姿を投影しているような気がする。偉大なる男クリント・イーストウッドは、いったい何に対して「赦し」を乞おうとしているのか。
★★★★★★★★★★
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